退職金を受け取った時は
勤務先に所定の手続きをしておけば
所得税や住民税が天引きされ
原則として確定申告の必要はありません
退職金を受け取った時の税金
退職金は、あらかじめ勤務先で所定の手続きをしておけば、通常、その支払いをうけるときに所得税や住民税が天引きされ、課税関係が終了。
原則として確定申告をする必要はありません。
具体的にいうと、退職金の支払いを受けるときまでに「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者に提出すると、所得税や住民税が計算され、それらを天引きして退職金が支払われます。
「退職所得の受給に関する申告書」には、退職金の支払者(企業)や退職金の支払いを受ける者(退職者)の住所、氏名のほか、
- 退職金の支払いを受ける年月日
- 勤続期間など
を記載して、退職金の支払者に提出します。
労使ともに入社の年月日をきちんと記録しておくことが大切ですね。
税負担が軽くなるような配慮があります
「退職所得の受給に関する申告書」に、その勤務先での勤続期間を明記するのは、退職所得控除を計算するためです。
退職金は、長年の勤務を報いるものとして一時に支払われるものであることから、退職所得控除を設けたり、給与などの他の所得と区別して課税されるなど、税負担が軽くなるよう配慮されています。
退職所得控除の額は、下記の通り勤続年数に応じて増加、それに伴い税金のかかる金額は少なくなります。
さらに、退職金の額から退職所得控除をひいた金額がまるまる課税されるわけではなく、
- 退職金の額から退職所得控除をひいた金額のちょうど半分(1/2をかけた金額)に税金がかかる(一定の役員等は除く)
- 給与所得などの他の所得と合算して税額を計算しない
など、税金を軽くする措置がとられています。
給料とは別に源泉徴収票もあります
退職金を受け取った時には、給料とは別に源泉徴収票が交付されます。
確定申告をする予定がなくても、退職所得の源泉徴収票は、給与の源泉徴収票と同じように保管しておきましょう。
たとえば、退職金限定で、通常より高い利子のつく定期預金に預ける場合などに、持っているお金が退職金だ、という証明にもなります。
また、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しているかどうかが自分ではわからない場合には、退職所得の源泉徴収票をみれば、所得税がどれくらい天引きされているのかという情報から「退職所得の受給に関する申告書」を提出しているかどうか、確定申告で精算する必要があるのかといったことまでもわかります。
***編集後記***
先週ネットから請求した、小規模企業共済の申込書が届いたので、退職金の税額計算を思い出してまとめました。
たいていの方はシンプルに税額計算できますが、同じ年に2か所から退職金を受け取った場合や海外勤務の期間があると特有の計算をします。
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
◆鎌倉で相続なら、鎌倉市の相続専門税理士事務所|女性税理士がお手伝いいたします
神奈川県鎌倉市で相続を得意とする女性税理士(横浜家庭裁判所 成年後見人等推薦者名簿登載者)が、お客様の負担をできるだけ軽減するため相続税の申告から相続にまつわる各種お手続きなどをサポートしております
◆オンライン(ZOOMなど)や電話でのご相談も承っております
事務所ホームページはこちら