“「言葉にできない」ことは、「考えていない」のと同じである。”
ちょっとドキっとするキャッチコピー
一生モノの「言葉にできる力」を手にすることができるのか…
言葉のプロフェッショナルからの強化書
著者の梅田悟司さんは広告代理店 電通のコピーライター。
直近のコピーライティングでは、『世界は誰かの仕事でできている。』『この国を、支える人を支えたい。』『バイトするならタウンワーク』などなど…一度は耳にしたことがあるのでは。
相手に伝わり、胸に響く言葉を生み出したい、と思う人は多いでしょう。
それに対し著者は言います。
「言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要がある」
この前提に立って、意見を育てて、育てた意見を言葉に変換する方法までを網羅する一冊。
言葉の磨き方を学びたいと思っている人ほど、考え方から見直した方がいいことに気づきます。
人を「動かす」ことはできない。「動きたくなる」空気をつくる。
「人を動かす」から「人が動く」へ
この言葉が個人的には一番こころを奪われました。
まず、著者は「人を動かすことはできない」と断言します。
続けて「より正確に表現するならば、『人が動きたくなる』ようにしたり、『自ら進んで動いてしまう』空気をつくることしかできないのだ。」と。
「『人を動かす』ことと『人が動く』ことは、同じように感じられるが、似て非なるものである。前者の『人を動かす』は自分の意図するように仕向けるといった強制的かつ受動的な意味合いが強いが、後者の『人が動く』は自らの意志で動き出すといった自主的かつ能動的な行動を促すものになっている。」と述べたうえで、
「『星の王子様』で有名なアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは以下のような言葉を用いることで、『人を動かす』と『人が動きたくなる』の違いを述べている。
船を造りたいのなら、男どもを森に集めたり、仕事を割り振って命令したりする必要はない。代わりに、広大で無限な海の存在を説けばいい。」
人を動かすことは不可能であり、動きたい気分や空気をつくることしかないと胸に刻み、人の心をワクワクさせたり、ときめかせる。それが人の心を動かしていく。
人の心を動かすのは、耳ざわりのいい言葉でも、美しい言葉でもなく、話している本人の気持ちが総動員された体温のある言葉です。
言葉のプロが実践する、もう一歩先
著者の考えから引用された古今東西の名言まで、こころに響く言葉はいくつもありましたが、実践編として、「言葉のプロが実践する、もう一歩先」は内容が具体的でおススメです。
ご紹介すると、
① たった1人に伝わればいい <ターゲッティング>
② 常套句を排除する <自分の言葉を豊かにする>
③ 一文字でも減らす <先鋭化>
④ きちんと書いて口にする <リズムの重要性>
⑤ 動詞にこだわる <文章に躍動感を持たせる>
⑥ 新しい文脈をつくる <意味の発明>
⑦ 似て非なる言葉を区別する <意味の解像度を上げる>
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」という大ヒット漫画「スラムダンク」にでてくる、バスケットボール部顧問安西光義先生の言葉が、この本の中にでてきました。税理士試験を受けていたころに出会ったこの言葉に、一瞬、受験生時代へタイムスリップ。言葉ってすごい!
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
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