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ふるさと納税は2019年6月から新しい指定制度へ

過度な返礼品競争が問題となった、ふるさと納税

ふるさと納税対象自治体を指定する新たな仕組みが設けられ

2019年6月1日以降は

指定自治体から外れた自治体に対する寄附は税優遇の対象となりません

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ふるさと納税指定制度とは

過度な返礼品が話題となった「ふるさと納税」について、行き過ぎた寄附集めを規制する目的で、2019年3月に改正地方税法が成立しました

これをうけて、2019年6月1日以降、返礼品を寄附の3割以下の地場産品に限ったり、返礼品を強調した寄附集めを禁じたりする基準を設け、適合する自治体を総務大臣が指定する新制度が創設されます

新しい制度は、「ふるさと納税に係る指定制度」といい、総務大臣が以下の基準に適合した地方団体をふるさと納税(特例控除)の対象として指定する仕組みです

  1.  寄附金の募集を適正に実施する地方団体
  2. (1.の地方団体で)返礼品を送付する場合には、「返礼品の返礼割合を3割以下」「返礼品を地場産品」とする地方団体 

2019年6月1日以後に支出された寄附金について適用となりますので、指定対象外の団体に対して6月1日以後に支出された寄附金については、ふるさと納税の対象外となります

 

東京都は参加せず

2019年6月からスタートする「ふるさと納税指定制度」については、2019年4月1日から4月10日まで、総務省が全国の自治体から参加希望の申請を受け付けていました

これに対し、全国の地方自治体で唯一、東京都だけが「ふるさと納税指定制度」には参加しないと表明しました

東京都以外の46都道府県、そして全国の市区町村1741団体すべてが「ふるさと納税指定制度」への参加希望の申請をしましたが、東京都のみ申請を見送ったのは「これまで東京都に入っていた税収が地方に吸い取られている」として、ふるさと納税の制度自体を批判するという意思の表明でもあります

これにより、2019年6月以降は東京都に寄附しても「ふるさと納税」として扱われず、ふるさと納税による税優遇が受けられなくなります

もともと返礼品に力を入れていない東京都へのふるさと納税は年数件ということで、離脱の影響はおおきくはないでしょう

なお、「東京都が離脱」といっても、それは寄附受入れ団体になることを自ら選ばなかっただけで、東京都民がほかの自治体に寄附をした場合は、これまで通り返礼品や税優遇を受けることができます

 

4市町が対象外に、そして4か月だけ認められた自治体も

総務省が2019年4月1日から4月10日まで、全国の自治体から「ふるさと納税指定制度」への参加希望の申請を受付けたのに対して、全国の市区町村1741団体すべてが参加希望の申請をしました

しかし、2019年5月14日(投稿日現在)、返礼品について「その調達額は寄附額の3割以下で地場産品」とする基準などを守らない自治体として、4市町(静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町)を指定自治体から外すことが発表されました

これにより、2019年6月1日以降、ふるさと納税の対象とならない団体は、東京都と4市町の5団体となります

 

また、総務省は、新潟県三条市や佐賀県武雄市など43市町村については、2019年6月から9月末までの4カ月だけ新ふるさと納税制度への参加を認めることも発表しています

*43市町村を知りたい方は、こちらのPDFの5枚目でわかります

ふるさと納税に係る総務大臣の指定について|総務省(令和元年5月14日)

 

4か月限定で指定自治体となった43市町村は、ふるさと納税の対象外となった4市町ほどではないものの、不適切な返礼品をだすなど寄付集めの方法に問題があったとされ、今後の寄付集めに問題があれば、2019年10月以降は指定自治体から外される可能性があります

このように、指定後に基準に違反する返礼品を贈った場合でも、指定が取り消されることもあることから、ふるさと納税をする際には寄附をする自治体がふるさと納税の対象から外れていないか確認する必要が今後でてきそうです

 

***編集後記***

寄附金控除の対象とならない団体に寄付しても、6月以降は、確定申告などに必要な寄附金控除に必要な書類が発行されなくなるということでしょうかね

寄附金控除の対象にならないとすれば、寄附をする方も激減するのでしょうが、条例指定寄附金のように、ふるさと納税も「対象になる」「対象にならない」を確定申告時に調べなくてはならなくなるのか想像すると複雑です…


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このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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