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開業届を紙で提出するなら、複写式がおすすめ

個人が事業を開始した場合に提出する開業届出書

e-Tax でも送信できますが

紙で提出するなら4部複写式もおススメです

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個人事業の開業・廃業届出書

個人が会社を辞めて独立した場合などに、税務署に提出する書類として真っ先に挙がるのは、いわゆる「開業届」。

開業というと色々な手続きが必要そうですが、株式会社などの法人をつくるのではなく、個人で仕事を始める際に最低限必要な書類は「個人事業の開業・廃業等届出書」だけです。

この「個人事業の開業・廃業等届出書」は、新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、移転、廃止したとき又は事業を廃止したときに税務署に提出するものです。

提出する時期は、開業・廃業等の日から1月以内です。

「納税地(住所や事業所の場所から選択)」や「屋号(決まっていれば記入)」など、耳慣れない言葉もありますが、氏名、生年月日、事業の概要、開業年月日など、ごく一般的な必要事項を記載して税務署に持参又は郵送で提出します。

この他に、青色申告を行うために開業から2か月以内に「青色申告承認申請書」、従業員を雇う場合などは「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」や「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も必要に応じて提出します。

地方自治体への開業届

ところで、さきの「個人事業の開業・廃業等届出書」は税務署に個人事業の開廃業を届け出るものです。

では、個人の開業を地方自治体には届け出なくてよいのでしょうか。

神奈川県の場合、個人の事業主が新たに事業を開始等したときには、「個人事業開業・休業・廃業届出書」を事務所等の所在地を所管する県税事務所に開始等をした日から1月以内に提出することになっています。

市町村についても、例えば、横浜市の場合、同様に「個人事業開業・休業・廃業届出書」を事業所等の所在地の区役所税務課市民税担当に提出します。

これらの届出書の様式は、神奈川県内の税務署、県税事務所および市町村間で共通で、神奈川県のホームページからダウンロードできます。

個人事業開業・休業・廃業届出書

この「個人事業開業・休業・廃業届出書」、いくら様式が共通といっても、税務署、県税事務所、市町村のそれぞれに提出するとしたら、大変ですよね(市によっては、個人事業開業届出書は税務署か市かいずれかに提出、と書いてあるところもあります)。

そんなときに便利なのが4部複写式の「個人事業開業・休業・廃業届出書」です。

4部複写式を税務署に提出

税務署においてある「個人事業の開業・廃業等届出書」は通常、1枚の用紙です(写真右)

この写真右側の用紙は国税庁のホームページでもダウンロードできます。

個人事業の開業・廃業等届出書

この届出書に記入した場合、記入後コピーを1部取って、原本を提出用、コピーしたものを控用とし、税務署の収受印を押してもらった控用を大切に保管します。例えば、融資を受ける際や事業用の銀行口座を作る際に必要となることがあるためです。

 

一方、自治体や税務署により異なりますが、神奈川県内では市役所や県税事務所などでは4部複写式の「個人事業開業・休業・廃業届出書」を配布しています(うえの写真の左側)。

この4部複写式の「個人事業開業・休業・廃業届出書」、4枚綴りの用紙で、上から

  • 税務署提出用
  • 県税事務所提出用
  • 市町村提出用
  • 控用

となっていますが、記載内容はほぼ同一ですので、一番上の用紙に強くボールペンで記入すれば、税務署提出用、県税事務所提出用、市町村提出用、控用となる開業届出書がいっぺんに作成できます。

国税庁の用紙の場合、控用をコピーする必要がありますが、コピーせずに4枚が完成します。

しかも、税務署にこの4部複写式を提出すると、(県税事務所提出用)(市町村提出用)は税務署から該当する県税事務所と市町村に提出されるため、それぞれに提出する必要がありません。一番下の(控用)に「税務署収受印」をもらい、大切に保管します。

うえの写真の通り、提出先の宛名も「税務署長殿」「県税事務所長殿」「市町村長殿」と共通仕様。

 

この便利な4部複写式、あえていえば複写式特有のペラペラ薄い紙であることが欠点です。

一緒に提出することの多い、青色申告承認申請書の控えが通常のコピー用紙であるのに比べて、すこし頼りなげですが、開業を届出たことを証明する重要な書類です。


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このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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