確定申告で医療費控除をうける場合
「医療費通知」や「医療費のお知らせ」を利用することで
「医療費控除の明細書」の記入を省略できます
「医療費通知」や「医療費のお知らせ」とは
「医療費通知」や「医療費のお知らせ」は、健康保険で診療をうけた加入者が病院などで診療を受けた日数(回数)と医療費について記載し、診療日数や医療費に誤りがないかを確認することを目的に、年に数回、発行される書類です
神奈川県内の後期高齢者を被保険者とする神奈川県後期高齢者医療広域連合では、年に2回「医療費のお知らせ」を送付しています
神奈川県後期高齢者医療広域連合が発行する「医療費のお知らせ」の送付時期(2020年の受診分)は、
- 1回目:2021年2月中旬(2020年1月~11月受診分)
- 2回目:2021年3月中旬(2020年12月受診分)
を予定しています
領収書の保存が不要に
平成29年分の確定申告から、医療費控除をうける際には、領収書の提出の代わりに「医療費控除の明細書」の添付が必要となり、医療費等の領収書の添付又は提示は不要となりました
ただし、領収書の記入内容の確認のため、確定申告期限等から5年間、税務署から領収書の提示又は提出を求められる場合があるため、医療費の領収書を5年間保存する必要があります
「医療費通知」や「医療費のお知らせ」の話に戻すと、2019年1月以降に発行された「医療費通知」や「医療費のお知らせ」は、確定申告で医療費控除をうける際の添付資料として使用することができるようになりました
確定申告書に「医療費通知」や「医療費のお知らせ」を添付すると、「医療費控除の明細書」の記入を省略することができ、加えて「医療費通知」や「医療費のお知らせ」を確定申告書に添付した場合には、その医療費のお知らせに記載されている医療費については、法令上、領収書を保存しなくてもよいことになっています
送付時期と対象期間に注意を
「医療費控除の明細書」の作成も省略でき、医療費の領収書の保存もいらなくなるなど、良いことばかりのように思える「医療費通知」や「医療費のお知らせ」を利用した確定申告ですが、実際のところ、医療費控除をうける際に利用している方はそれほど多くはないようにおもいます
その原因のひとつは、医療費控除の対象となる支払いで、医療費通知に記載されていないものがある場合には、別途領収書に基づいて「医療費控除の明細書」を作成し、その明細書を申告書に添付する必要があることでしょう(明細書の作成のもとになった領収書は5年間保存)
たとえば、「医療費通知」や「医療費のお知らせ」の作成には、医療機関から保険者に送られてくる医療費データが必要となりますが、2月の確定申告時期までに届く「医療費通知」には、その前の年の10月や11月までの受診分までしか反映されていないことがあります
また、実際に窓口で支払った金額と医療費通知に記載されている自己負担相当額が異なる場合(公費負担医療や福祉医療費等による助成、療養費、高額療養費がある場合など)、申告にあたり自身で金額を訂正等する必要があり、このようなときも、医療費の領収書は確定申告等の期限から5年間保存する必要があります
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