相続財産のなかに上場株式が含まれていた場合
上場株式の相続税評価額は
簡単に算出できます
上場株式の相続税評価
上場株式とは、東京証券取引所、大阪取引所など日本全国にある金融商品取引所に上場されている株式をいいます
相続した財産に上場株式が含まれている場合、上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所が公表する、つぎの価格のうち最も低い額を1株あたりの金額として評価します
- 被相続人が亡くなった日の最終価格
- 被相続人が亡くなった月の毎日の最終価格の平均額
- 被相続人が亡くなった月の前月の毎日の最終価格の平均額
- 被相続人が亡くなった月の前々月の毎日の最終価格の平均額
最終価格というのは、終値です
たとえば、被相続人が8月15日に亡くなった場合、
- 8月15日の終値
- 8月の終値の平均
- 7月の終値の平均
- 6月の終値の平均、の4つを比較して一番低い数字がその株の相続税評価額となります
なお、亡くなった日が土日の場合、金融証券取引所での取引がお休みですので、その日の最終価格は存在しません
このため、亡くなった日の前日以前や翌日以後の最終価格のうち、亡くなった日に最も近い日の最終価格を採用します
たとえば、土曜日に亡くなった場合は、金曜日の最終価格、日曜日に亡くなった場合は月曜日の最終価格で評価します
終値や月平均額の調べ方
では、上場株式の株価はどのようにして調べたらよいでしょう
インターネットが利用できる場合、亡くなった日やその前後の終値は、ホームページで簡単にみつけることができます
たとえば、「Yahoo!ファイナンス」を利用するなら
- Yahoo!ファイナンス内の検索ウィンドウに、調べたい銘柄を入力して「株価検索」をクリック
- 検索一覧が表示されたら、その中から調べたい銘柄を選択します
- その銘柄が表記されているバーのなかから「時系列」をクリック(ここでその銘柄の4桁の銘柄コードをメモしておくと良いでしょう)
- すると、最近のデータを筆頭に、その銘柄の約1か月分の「始値」「終値」「出来高」などが並んで表示されます
- 表示されている期間より前の期間のデータが必要であれば、最近のデータを表示しているページ下部で必要な時期を指定して、「表示」をクリックする
- 亡くなった日(やその前後)の「終値」が求める数値です
月平均額を調べるときは、日本取引所グループの月間相場表を利用すると便利です
この月間相場表を利用するときには、さきにYahoo!ファイナンスでメモしておいた各銘柄の4桁の銘柄コードが役に立ちます
日本取引所グループの月間相場表では、
- 調べたい銘柄コードが含まれる、対象月のPDFをクリック
- 表示された「株式相場表」PDFから、調べたい銘柄を見つける
- その銘柄の「終値平均」が、求める対象月の毎日の終値の平均値です
亡くなった月、その前月、その前々月の終値平均値をまとめて調べてしまいましょう
証券会社に評価額の参考資料を発行してもらいましょう
以上は、インターネットを利用して自分で株の評価額を調べる方法です
しかし、もっと簡単に、株の取引をしていた証券会社などに残高証明書を依頼する際、相続税申告に必要な評価額もあわせて記載してもらうようお願いすることもできます
多くの証券会社では、株式などの残高証明書の発行を依頼すれば、その証明書と一緒に<ご参考資料>といった名称で、銘柄ごとに①基準日の終値、②基準日当月、③基準日前月、④基準日前々月の月平均終値を載せた資料を発行しています
上場株式の相続手続きをする際には、残高証明書と評価額の資料をあわせて依頼すると、その後の税申告などで役に立ちます
***編集後記***
今日は、海外在住の相続人の方を交えた、相続の打ち合わせを
日本の印鑑証明に代わるものとして領事館で発給されるサイン証明なども必要となります
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
◆鎌倉で相続なら、鎌倉市の相続専門税理士事務所|女性税理士がお手伝いいたします
神奈川県鎌倉市で相続を得意とする女性税理士(横浜家庭裁判所 成年後見人等推薦者名簿登載者)が、お客様の負担をできるだけ軽減するため相続税の申告から相続にまつわる各種お手続きなどをサポートしております
◆オンライン(ZOOMなど)や電話でのご相談も承っております
事務所ホームページはこちら