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財産のわけ方が決まっていないときの相続税申告

相続税の申告と納税は

相続発生から10ヵ月以内と決まっています

その期間内に財産のわけ方が決まらなかった場合は

どうしたらよいのでしょうか

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財産のわけ方が決まっていなくても申告期限はかわらない

相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行います

たとえば、11月6日に亡くなった方の相続税の申告期限は、翌年の9月6日となります

この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります

 

相続税の申告は、たとえ相続財産が分割されていない場合であっても、この10が月以内という期限までにしなければなりません

分割されていないということで相続税の申告期限がのびることはありませんし、申告期限までに申告をしなかった場合には、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかる場合がありますので注意が必要です

相続税の計算と申告

では、相続税の申告期限までに、相続財産の分割協議が成立していないときは、どのように相続税の申告と納税をするのでしょうか

このような場合には、「各相続人などが民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合に従って財産を取得した」ものとして相続税の計算をし、申告と納税をします

 

ただ、このようなケースでは、相続税が軽減できる特例である「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額の軽減の特例」などが適用できない申告となります

小規模宅地等の特例」は、亡くなられた方が住んでいた土地や事業をしていた土地について、決まった条件を満たす場合には、80%又は50%まで評価額を減額するという特例で、「配偶者の税額の軽減の特例」は、亡くなられた方の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、1億6,000万円か、配偶者の法定相続分相当額か、どちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です

たとえば、「配偶者の税額の軽減」は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算することとなっているため、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象とならないのです

ただし、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておいた場合であれば、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときには、税額軽減の対象となります

 

つまり、相続税の申告期限までに遺産分割が行われていない場合、当初の申告時には、その分割の行われていない財産について、これらの特例の適用を受けることはできませんが、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておくと、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、特例の適用を受けることができることになっているのです

(3年経過後もやむを得ない事情があり遺産分割が行われていない場合には期限内に一定の書類を提出し承認を得ることで特例の適用を受けられることもあります)

 

財産のわけ方が決まったら

では、民法に規定する相続分で申告した後に、相続財産の分割が行われた場合で、その分割に基づいて計算した税額と最初に申告した税額とが異なるときは、どうするのでしょうか

このようなケースでは、実際に分割した財産の額に基づいて「修正申告」又は「更正の請求」をすることができます

修正申告とは、初めに申告した税額よりも実際の分割に基づく税額が多い場合にする申告です

一方、更正の請求は、初めに申告した税額よりも、実際の分割に基づく税額が少ない場合にすることができます

修正申告と異なり、更正の請求ができるのは、相続財産の分割が行われた日から4か月以内です

最初に提出した相続税申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」添付しておき、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、この更正の請求や修正申告において、相続税が軽減できる特例である「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額の軽減の特例」を適用します

 

***編集後記***

税理士会などからの所得税確定申告関連の連絡事項が多くなってきました

もうそんな時期ですかねぇ


・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・

このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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