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所得税の確定申告の際には住民税のことも少しは知っておきたい

所得税の確定申告の際には

翌年度の住民税がどれくらいかかるか

認識しておきたいものです

神奈川県では個人県民税の超過課税が行われていますよ

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所得税と個人住民税の関係、そして違い

所得税も、個人住民税も、個人の所得に対してかかる税金です

一般に、個人住民税とは、個人の都道府県民税市町村民税をあわせたものをいい、1月1日現在、住所がある方を対象に、各市区町村が都道府県民税と市区町村民税とをあわせて徴収します

個人住民税は、所得税の確定申告書、又は年末調整に基づいて計算されますので、申告書の提出は、原則不要です

すなわち、所得税の確定申告書や各職場から提出される給与支払報告書、公的年金等支払報告書などに基づいて、市区町村が税額を計算して通知されるのが個人住民税です

 

所得税が超過累進課税といって所得が多いと税率が上がっていくのに対し、個人住民税の税額は所得額に関わらず10%(都道府県民税4%、市町村民税6%)と定率であることも特長です(標準税率の場合・政令指定都市は都道府県民税2%、市民税8%)

 

また、所得税と個人住民税では、税金を納める時期も異なります

所得税の確定申告書を提出する方の納付期限が課税対象となる年(1月~12月)の翌年3月15日であるのに対して、住民税は前年の所得に対してすべて翌年6月以降に課税・納付されます

たとえば、令和2(2020)年度住民税は、令和元(2019)年1月~12月の所得対して課税され、サラリーマンやパート、年金収入の方は、給与から天引きされる「特別徴収」で納め、個人事業主やフリーランスの方は、「普通徴収」で年4回に分けて(又は一括)で納付します

住んでいる場所によって税率が異なることも

前述したような課税時期などの違いから、前年に譲渡所得があった方など、例年と所得額が大きく異なる方は、多額の住民税の通知がきて驚くことがあります

このため、確定申告をしたら、その先にある個人住民税についても知っておきたいものです

 

さきほど、個人住民税の税額は所得額に関わらず10%都道府県民税4%、市町村民税6%)と定率であると述べました(政令指定都市は都道府県民税2%、市民税8%)

けれども、一部の都道府県、市区町村では「超過課税」といって、都道府県民税4%、市町村民税6%(政令指定都市は都道府県民税2%、市民税8%)より高い税率を課していることがあります

たとえば、神奈川県では、水源環境の保全・再生のため超過課税を実施しています

令和3年度までは、神奈川県の個人県民税は4%ではなく、4.025%(政令指定都市では2.025%)です

ちなみに、都道府県民税の所得に対してかかる税率で、超過課税をとっているのは、全国で神奈川県だけです

 

生活に密接する個人住民税

個人住民税は、市区町村が税額を計算し通知するという性質から、通知された額を払うだけのものという意識である方がほとんどです

確かに、その通りでもありますが、世帯の個人住民税の額(正確には区市町村民税所得割課税額*)は、

  • 保育料(主に0-2歳児)
  • 高等学校等就学支援金(2020年4月から拡充予定)
  • 高等教育の就学支援新制度(2020年4月からスタート)

などの算定の基礎となるものです

高等学校等就学支援金や高等教育の就学支援新制度などの2020年7月以降の新しい判定基準では「市町村民税の課税標準額×6% - 市町村民税の調整控除の額」というように、各種税額控除後の所得割額とは異なるものとなります

 

年末調整で還付をうけていても、申告すれば受けられる所得控除(配偶者控除や扶養控除など)がもしあるのであれば、サラリーマンやパートの方でも、所得税の確定申告をして適正な課税を受けられるようにしておくことは意外と大切なことなのです

 

***編集後記***

所得税の確定申告書を作成していて、住民税の試算をすることもあります

税務ソフトで簡単に算出できる機能がありますが、デフォルトが標準税率(4%・6%)なので、超過税率(1月1日現在の住所が神奈川県内)の場合、税率の調整が必要になります


・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・

このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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