海外駐在中に現地の年金制度に加入していた場合
帰国後は日本でその年金を受け取ることになります
海外の公的年金も日本での確定申告の対象となります
海外から年金を受け取った場合
現役時代に外国へ駐在していると、現地の年金制度に加入することがあります
その後日本に帰国してリタイアすると、日本の年金だけでなく、駐在していた国の年金も受給します
海外の公的年金を受け取った場合、確定申告はどうなるのでしょうか
日本の居住者が外国の公的年金を受給した場合には、原則として、日本でその年金収入について、公的年金等に係る雑所得の金額として所得税の確定申告が必要になります
海外の公的年金等の確定申告
日本の所得税法上では、雑所得となる公的年金等は、次のように定められています
- 国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
- 過去の勤務により会社などから支払われる年金
- 外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で、日本の公的年金等(国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金)に類するもの
海外駐在時代に加入した現地の年金制度から支払われる年金が、3.の「外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で、日本の公的年金等(国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金)に類するもの」であれば、日本の公的年金等と同様の方法で雑所得の金額を計算することになります
公的年金等については、確定申告の所得計算では「公的年金等控除額」という控除がありますので、公的年金等に係る雑所得の金額は、公的年金等の収入金額の合計額(日本の年金の収入金額と海外の年金の収入金額を合計したもの)から「公的年金等控除額」をひいたものとなります
日本の年金の収入金額は、日本年金機構などから送られる「公的年金等の源泉徴収票」などでわかりますね
海外の年金も受け取っている方は、日本の年金の「公的年金等の源泉徴収票」だけでなく、銀行明細などから海外年金受給額を計算して、確定申告します
確定申告不要制度の対象となりません
平成23年分の確定申告以後、公的年金等に係る確定申告不要制度により、公的年金等の収入金額が年間400万円以下で、その年の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告が不要となりました
しかし、平成27年分以降については、海外年金については、この確定申告不要制度は利用できなくなっています
たとえ海外年金が公的年金に該当するものであっても、公的年金等に係る確定申告不要制度の対象にはならないことに留意しましょう
なお、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーなどを利用して、申告書を作成する場合、海外年金の収入金額は「所得税法第203条の3第4号適用分」に入力します
※「所得税法第203条の3第4号適用分」とは、所得税法第203条の3第1号、所得税法第203条の3第2号、所得税法第203条の3第3号のいずれにも該当しない場合(扶養控除等申告書を提出していない場合など)です
***編集後記***
今日は相続税試算などのためにお客様宅へ
相続が発生する前に資産のリストアップや道筋をつけておくことはとても重要です
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
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