地方自治体による「終活」支援がひろがっています
生前に「終活関連情報」を地方自治体に登録
本人の意思の実現を支援する事業もスタートします
地方自治体による終活支援
わたしたちの暮らしに最も密着する行政である、地方自治体
超高齢化社会となり「終活」が注目されるなか、市民の「終活」を支援する自治体が全国的に増えてきています
自治体が行う終活支援で多いのは、いわゆるエンディングノートの配布です
名称は「終活支援ノート」「わたしの覚え書き」など様々ですが、終活に関する項目を一冊にまとめたものを作成し、無料で配布している自治体があります
市役所のホームページからダウンロードできる場合もあります
背景には一人暮らし高齢者の増加
そもそも、個人で関心のある方が作成することが多いエンディングノートを、なぜ自治体がその作成をサポートするようになったのでしょうか
それは、配偶者との死別や生涯独身などの生活スタイルによって、ひとり暮らしをする高齢者が増えてきているからです
独居の方が亡くなったときに、家族や友人などの連絡先もわからないと、葬儀、納骨をどうするかという終活課題が発生します
本人の意思を伝えることができるエンディングノートは、そのようなときに、自治体にとって大きな手掛かりとなるでしょう
緊急連絡先のみならず、葬儀に関する希望やお墓の所在地などの情報が残されることにより、亡くなった後、関係機関などに速やかに連絡し、連携して終活課題の円滑な解決をはかることが期待できるのです
一歩先いく「わたしの終活登録」
神奈川県横須賀市が先日発表した、通称「わたしの終活登録」は、自治体のエンディングノート作成支援の一歩先をいく制度です
ひとり暮らしで身寄りがないことにより、せっかく書いたエンディングノートの保管場所がわからない、お墓があるのに所在地がわからず無縁仏として納骨されるケースが増えていることから、「終活関連情報」を生前に登録、万一の時、病院・消防・警察・福祉事務所や、本人が指定した方に開示し、本人の意思の実現を支援します
登録できる「終活関連情報」は、以下の通りです
- 本人の氏名、本籍、住所、生年月日
- 緊急連絡先
- 支援事業所等
- かかりつけ医師やアレルギー等
- リビングウィルの保管場所・預け先
- エンディングノートの保管場所・預け先
- 臓器提供意思
- 葬儀や遺品整理の生前契約先
- 遺言書の保管場所と、その場所を開示する対象者の指定
- 墓の所在地
- 本人の自由登録事項
これらの「終活関連情報」は、本人の意思で、追加・削除も含め自由に選択できます
この制度のスタートは、2018年5月1日から
希望する横須賀市民であれば誰でも登録できます
エンディングノートを遺すだけでなく、市が登録情報を管理し、警察や消防・医療機関などの照会にも応じることで、より安心して自分らしい最期を迎えらることが期待されます
***編集後記***
大分県杵築市が作成した終活支援の冊子名が「きつきネバーエンディングノート」、神奈川県の茅ヶ崎版エンディングノート「わたしの覚え書き~希望のわだち~」をはじめ、自治体配布のエンディングノートのネーミングがユーモアいっぱいでビックリです
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
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