相続人のなかに障がいのある方がいる場合
相続税の障害者控除により
相続税額を軽減できる制度があります
相続税の障害者控除とは
相続税の障害者控除は、障がい者が満85歳に達するまでの生活費等を考慮して、講じられた措置です
つぎのすべてにあてはまる相続人が、85歳未満の障がい者であるときは、相続税額から法律で決められた一定の金額を差し引くことができます
- 相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がある
- 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人である
相続税の額から控除できる「障害者控除」の額はつぎのように計算します
一般障害者の場合:(85歳ー相続開始時のその障がい者の方の年齢)×10万円
特別障害者の場合:(85歳ー相続開始時のその障がい者の方の年齢)×20万円
年数の計算では、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します
たとえば、相続開始時に60歳6か月であった一般障害者である相続人は、60歳6か月=60.5歳ですから、(85-60.5)=24.5→25となり、25×10万円=250万円が控除額となります
相続税の障害者控除は税額控除です
障害者控除というと、所得税の所得控除にもありますが、所得税の障害者控除に比べると、相続税の障害者控除はあまり知られていないように思います
所得税の障害者控除は「所得控除」なので、税額を計算する前の所得(利益)から控除されます
所得税の額は所得から所得控除をひいた金額に税率をかけて計算しますので、同じ障害者控除をうける場合でも、その方の税率によって控除される金額がかわります
これに対し、相続税の障害者控除は「税額控除」です
税額控除は、税率をかけて計算した相続税の額から直接、控除が適用されます
このため、計算された相続税額を限度として、障害者控除の金額を相続税額から直接差し引くことができます
障がい者本人の相続税額から引ききれない場合
相続開始時の障がい者の年齢が比較的若い場合・相続人が特別障害者である場合などには、計算した障害者控除額がその障がい者本人の相続税額より大きい場合があります
障害者控除額 > 障がい者本人の相続税額
このように、障害者控除額のすべてをその障がい者本人の相続税額から引ききれない場合は、その引ききれない部分の金額を、その障がい者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます
ここでいう「扶養義務者」に該当するのは、配偶者、直系血族(祖父母、父母、子、孫)・兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち相続発生時に生計を一にしている方です
なお、障がい者が今回の相続以前の相続においても、障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがありますので、専門家への相談をおすすめします
***編集後記***
何年か前に上野で行われた鳥獣戯画展で購入した、ペアグラス(白・黒)
色違い(ピンク・水色)をネットで見つけて、揃えてみました
京都便利堂というお店、東京・神田神保町にもあるそうなので今度いってみよう
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
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