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103万円の壁…あちこちで耳にする季節になりました

夫婦控除の導入、配偶者控除の見直しは先送りの模様

103万円の壁を引き上げることにとどめる方向へ?

 

 

hansbenn / Pixabay

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この記事は、投稿日(2016年10月7日)現在の法律に基づいて書いています

2018年(平成30年)以降は配偶者控除等の適用について改正されます

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「扶養の範囲内で」って?

主婦がパートなどで働く場合、「扶養の範囲内で」という言葉をよく耳にします。

この場合の「扶養」には、税金面での「扶養」と社会保険面での「扶養」の2つがあります。

 

税金面での「扶養の範囲内」とは、夫の税金を計算するときに配偶者控除を受けられる範囲で働くということを意味します。夫の税金(所得税・住民税)を専業主婦のときと同じ額に抑えながら働くということです。

この配偶者控除を受けられるのは、配偶者(ここでは主婦)のお給料が年間103万円以下のとき。103万円とは、給与所得控除(65万円)と基礎控除(38万円)の合計であり、この場合、妻の収入にも所得税はかかりません。これを「103万円の壁」といいます。

 

社会保険面での「扶養」とは、サラリーマンの妻は年収130万円以下であれば、夫の社会保険の扶養家族(被保険者)であると同時に、第3号被保険者として国民年金保険料が免除されています。

ところが、年収130万円を超えると、夫が加入する社会保険の扶養家族の範囲から外れ、妻本人が第1号被保険者として社会保険料を支払う必要があります。

社会保険料の自己負担はかなり大きく、収入の約15%近くといわれます。年間収入が130万円を超えそうなときは、160万円以上収入を得ないと実質収入が減ってしまう場合があり、このことから「130万円の壁」といわれます。

壁は103万円だけではない

法改正により、2016年10月から「短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大」として、従業員501人以上の企業では、パートであっても、月額賃金が88,000円以上であれば、一定の条件を満たせば、社会保険の加入が義務付けられ、夫の社会保険の被扶養者から外れることになりました。

88,000円×12か月=105.6万円→約106万円
この時は、前述の「130万円の壁」を「106万円の壁」と読みかえることになります。

また、収入が103万円以下であっても、100万円を超えていれば、妻の住民税が課税されます。年収100万円以下でも住民税(均等割)が課税される自治体もあります。

いわゆる「住民税の壁」です。

住民税の壁を見落とさない…市町村によって異なります
所得税がかかってくる「103万円の壁」は有名です 給与収入でいえば、年間103万円を超えると所得税がかかる、という意味ですが、 給与収入が100万円を超えると個人住民税がかかります 市町村によっては、100万円以下の給与収入でも均等割という

97万円、100万円、103万円、106万円、130万円…つぎつぎと現れるハードルのようです。

就労調整ってホントにあります

秋になると、パートやアルバイトで働く妻は、今年の収入が夫の「扶養の範囲内」におさまるかどうか気になるところです。

先日も、そんな談議に遭遇…ホントにあるんだ~って感心しながら聞いてしまいました!

本人の所得税/住民税がかかるのか、夫の所得税/住民税が増えてしまうのか、夫の会社の扶養手当が出なくなって手取りが減るのか、はたまた「配偶者控除はなくなるんだよね?!」という声まで。

配偶者控除の見直しは、安倍政権が打ち出した「働き方改革」の具体策のひとつ。

配偶者控除を見直して、共働きにも適用する「夫婦控除」の創設が話題になりましたが、夫婦控除は来年度の税制改正では見送られる見通しが濃厚です(2016年10月7日現在)。

代わりに、女性の就労を妨げているといわれる配偶者控除の対象を広げる案が浮上していますけれども、103万円を150万円に引き上げたところで、新たに「150万円の壁」が生まれるだけ。そもそも妻が就労調整を意識しないですむ仕組みを構築しないと、女性の社会進出を促して経済成長につなげるという安倍政権の「働き方改革」の実現は難しいでしょう。

 

 


・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・

このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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