消費税の申告が必要な個人事業主の方
中間納付した金額の合計しかわからなくても
消費税申告書の中間納付税額と中間納付譲渡割額の内訳はこうしてわかります
消費税の中間納付に関する事項の記載
先日お会いした個人事業主の方から、消費税の中間納付をしているけれども、その金額を消費税確定申告書のどこに書けばよいの?という質問をうけました
その答えは、消費税の確定申告書の「中間納付税額」と「中間納付譲渡割額」欄ですが、それぞれの欄にどの数字を書けばよいのかというのがわかりにくいようです
おおきくわけると、税金はその納め先によって国税と地方税にわかれます
国税とは、国に納める法人税や所得税をいい、都道府県や市区町村に納める税金を地方税といって、住民税や固定資産税などが該当します
ところが、消費税は国と地方のどちらにも納めることになっているため、ひとことで「消費税」といっても、実は、消費税(国税)と地方消費税(地方税)のふたつで構成されています(消費税率8%のうち、国税が6.3%、地方税が1.7%です)
つまり、私たちが支払っている8%の消費税は、自動的に6.3%分が国へ、1.7%分が都道府県や市区町村へ納められているのです
中間納付した消費税額も、やはり国税部分と地方税部分で構成されていて、国税部分を「中間納付税額」といい、地方税部分を「中間納付譲渡割額」といいます
「中間納付税額」は、前年分の確定消費税額の12分の6の消費税額(いわゆる地方消費税額を含まない)であり、「中間納付税額」の63分の17に相当する地方消費税額が「中間納付譲渡割額」です
印字されたものがあればベストです
消費税の確定申告書に記載する「中間納付税額」と「中間納付譲渡割額」は、税務署から「消費税及び地方消費税の確定申告書」が送付されている場合であれば、その送付された申告書の所定の欄をみればわかります
中間申告を行っている場合には、税務署から送付される申告書には、「中間納付税額」(10欄)と「中間納付譲渡割額」(21欄)に最初から数字がはいっています
確定申告書が郵送されてこない場合でも、「確定申告のお知らせ」はがき又は通知書が届いていれば、そこに「中間納付税額」及び「中間納付譲渡割額」が印字されているので、それぞれの額を10欄と21欄に入力すれば問題ありません
もちろん、前年にe-Taxをご利用の方は、メッセージボックスの「申告のお知らせ」にて確認できます
以上をまとめると、
- 郵送された消費税の確定申告書
- 「確定申告のお知らせ」はがき又は通知書
- e-Taxのメッセージボックスの「申告のお知らせ」
のいずれかにおいて印字された金額を確認するのが、消費税確定申告書に記載する「中間納付税額」と「中間納付譲渡割額」が最も簡単にわかる方法です
中間納付した金額の合計しか分からない場合
ときどきあるのが、中間納付した税額が記入された消費税の確定申告書が送られてこない、「確定申告のお知らせ」はがきを紛失してしまった、前年にe-Taxをしていないためメッセージボックスの「申告のお知らせ」を確認できないという場合です
このような場合で中間納付税額と中間納付譲渡割額の内訳が不明となってしまっても、中間納付した金額の合計がわかっていれば、その中間納付した金額の合計をあん分して、国税部分と地方税分を計算することができます
あん分に際しては、中間納付税額が63/80、中間納付譲渡割額が17/80として計算します
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の「よくある質問」にある例では、中間納付の全額:692,100円の内訳を次のように計算しています
(例)
中間納付の全額:692,100円
中間納付税額:692,100×63/80=545,028.75→545,100円
中間納付譲渡割額:692,100×17/80=147,071.25円→147,000円
計算結果に100円未満の端数が出る場合は、それぞれの合計が中間納付した金額となるよう調整します
例でいえば、中間納付税額(国税部分)の計算で、100円未満を切り上げし、差額が中間納付譲渡割額(地方税部分)です
【確定申告書等作成コーナー】‐中間納付税額や中間納付譲渡割額の入力方法
最近は、会計ソフトで消費税の申告書が簡単に作成できるケースが増えています
自分で作成して提出したい!という方は、簡単にでよいので消費税の仕組み(国税と地方税で構成されている)を知っておきましょう
そして、消費税の中間納付の際には、合計額のうちいくらが国税で、いくらが地方税なのかをみておくと、1年間終わったあとに出来上がってくる消費税申告書の完成度がグッと増します
***編集後記***
仕事をしていて自分が苦手だと思う部分が最近よくわかってきました
苦手だと思っても上手く乗り越えられるときもあるので、見極めが難しいですが、業務に支障がない範囲で苦手なことには真正面からぶつからないよう工夫する必要性を感じています
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
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