2017年も残りわずか
お仕事で「初めて」だったことを
まとめてみました
遺言書検認の申立て
遺言にはいくつかの形式があり、公正証書遺言以外の形式で遺言が残されていた場合には、その遺言書を発見したひとや保管をしていた人は、家庭裁判所に遺言書を提出し、検認の手続きをしなければなりません
相続税申告のお仕事をしていて、検認済みの遺言書を手にすることは何度もありましたが、自筆の遺言書の保管者として、初めて検認の申立てをすることに
申立先は、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所です
申立てに必要なものは(標準的な添付資料)、以下の通りです
- 家事審判申立書と当事者目録(裁判所のホームページからダウンロードできます)
- 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 収入印紙800円分の手数料
- 連絡用の郵便切手
家庭裁判所への郵送による申立て後、2週間ちょっとで日時調整の電話連絡が入り、家庭裁判所において検認が行われました
保管していた遺言書は当日に家庭裁判所に持参、裁判官より保管時期、保管場所などが尋ねられた後、遺言書を裁判官に手渡します
裁判官は「茶封筒、ボールペンによる筆記、割り印あり、1枚、便せんに透かしのようなものがある」といった遺言書の特長を述べた後、筆跡にまちがいないか?と尋ねられ、検認済の印が押され、終了
検認済みの遺言書はその場で申立人に返却されます
亡くなられた方の出生からの戸籍謄本を集める費用と時間に比べて、検認自体は手数料が安い(800円)のと、数分であっけなく終了するのが印象的でした
相続放棄
相続人のうち、ひとりが相続放棄をされているケースがありました
相続放棄は年々増えています
相続放棄をしようとする場合には、相続開始を知ったときから3か月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければなりません
申述する家庭裁判所は、亡くなられた方の最後の住所地の家庭裁判所です
相続放棄が受理された方は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされ、相続財産を一切相続しないことになります
一方、基本的には、相続放棄をすることで相続税の計算方法には大きな影響は出ません
たとえば、相続税の基礎控除額は、基本となる3,000万円と、法定相続人1人当たり600万円を加えた合計額です
この法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいますので、相続開始時点の法定相続人の数として計算します
基礎控除額のほか、生命保険金・死亡退職金の非課税枠、障害者控除、未成年者控除についても、相続放棄がなかったものとして計算されます
相続放棄をした方は、全財産を放棄するので相続税を支払うケースは少ないですが、保険金の受取人になった場合などには、相続放棄をしても相続税を支払わなくてはいけないこともあるので注意が必要です
法定相続情報証明制度
このブログでも何度か書いていますけれども、2017年5月にスタートした法定相続情報証明制度の申出をしました
法定相続情報証明制度は、各種の相続手続きの際に、亡くなった方の戸除籍謄本など相続を証明する書類一式を毎回提出する必要がある現状を、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることで戸除籍謄本一式を何度も出し直す必要がないようにスタートした制度です
具体的には、法務局に戸除籍謄本等と相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出すると、登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付、その後の相続手続は、交付された法定相続情報一覧図の写し1通を提出することで、相続登記の申請などが可能になるというもの
この制度の申出は、申出人(相続人)からの委任によって,代理人に依頼することができ、委任による代理人には,親族のほか、弁護士、司法書士、税理士などがなれます
土地や建物など相続登記が必要な不動産をお持ちの相続人の方は、戸除籍謄本が集まった時点で、この制度を利用して法定相続情報一覧図の写しを複数取得すると、その後の預貯金や有価証券の名義変更、保険金の請求などを並行して進められるうえ、相続登記の申請などもスムーズに行うことが可能です
スタート当初は、法定相続情報一覧図の写しで預貯金の相続手続きができるか金融機関によって対応がまちまちな印象がありましたが、いまでは銀行のホームページにも「法定相続情報一覧図の写しでも手続きが可能です」と明示されているところが多数です
これから相続手続きをされる方は、早い段階で取得されるのをおすすめします
***編集後記***
仕事納めの時期ですが、採択された小規模事業者持続化補助金の補助事業期間が12/31までなので、報告書類の用意を継続してます、でもあと少し
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
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