生命保険契約に基づく一時金や年金を受け取ると
保険会社から支払調書が発行され税務署に提出されます
平成30年1月1日より保険の契約者変更があった場合にも
保険会社に対して法定調書の提出を義務付ける新たな制度がはじまります
平成30年1月1日からの改正点
私たちが生命保険契約に基づく保険金を受け取ったときに、保険会社から税務署に提出される「支払調書」
現在は、1回の支払金額が100万円を超える死亡保険金、満期保険金、解約返戻金等が支払われた場合に「支払調書」が税務署に提出されることになっています
この生命保険契約の一時金の支払調書が、平成30年1月1日から変わります
まず、これまでの支払調書の提出基準は、保険金等の支払金額(100万円超)でしたが、保険契約について死亡による契約者変更があった場合という基準が新設されます
つまり、たとえ保険金の支払いがなくても支払調書を提出することが義務づけられるケースがあるのです
契約者変更情報が筒抜けに?
相続が発生したことにより、契約者の変更をして生命保険契約を引き継ぐなど、生命保険の契約者変更は珍しいことではありません
契約者(保険料負担者)と被保険者が別であるケースにおいて、契約者が死亡して契約者の名義変更をした場合、その時点での解約返戻金相当額が相続財産として相続税の課税対象となります
ところが、こうしたケースでは、保険金が支払われたわけではないため、従来の制度では支払調書が提出されず、税務署がその事実を把握できないという現状を打破するための、この制度新設…
平成30年1月1日以降に契約の変更が生じる場合について適用されます
記載事項も変わります
あわせて支払調書の記載事項も変わります
現行の記載事項である、
- 受取人の住所氏名マイナンバー
- 契約者の住所氏名マイナンバー
- 被保険者の住所氏名
- 保険金額等(解約の場合は解約返戻金相当額)
- 既払込保険料等
- 保険事故発生年月日
- 保険金等支払年月日
に、以下の事項が加わります
- 支払時の契約者の直前の契約者の住所氏名
- 契約者変更の回数
- 支払時の契約者の既払込保険料
新しい「生命保険金・共済金受取人別支払調書」の様式はこちらです
出典)大蔵財務協会発行「法定調書のすべて」より
契約者変更の回数については、施行日となる平成30年1月1日以降の契約者変更の回数ということですし、支払時の契約者の既払込保険料についても平成30年1月1日をまたぐ契約者については記載不要ということなので、契約者変更をガッチリ追跡されるのはこれからといった模様です
また「死亡による契約者の変更」の場合の調書には、
- 死亡した契約者の住所氏名・死亡日
- 新契約者の住所氏名
- 解約返戻金相当額
- 既払込保険料(総額)
- 死亡した契約者の既払込保険料、が記載されることとなっています
新しい「保険契約者等の異動に関する調書」の様式はこちらです
出典)大蔵財務協会発行「法定調書のすべて」より
これらにより、名義変更した保険契約について名義変更前と後で誰がどれだけ保険料を負担したかが明らかになります
契約者変更情報の把握によって相続税や贈与税の課税漏れにある程度効果がありそうです
***編集後記***
電話帳並みの厚さの「確定申告の手引き」
昨年までは税理士会の支部に取りに行っていたのが、宅配便で届くようになり助かります
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
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