確定申告に関する質問でダントツに多いのが医療費控除
支払った医療費を集計する際に
使用していた「医療費の明細書」が
平成30年提出分から刷新されます
身近な医療費控除
確定申告に関する質問や相談で一番多いのは、医療費控除に関するもの。
それだけ国民に身近で、関心の高いもののだと思います。
この医療費控除が平成29年分の確定申告から大きくかわります。
ひとつは、従来の医療費控除とは別に、セルフメディケーション税制という制度がスタートするという点。
もうひとつは、いずれの控除を受ける場合でも、確定申告書の提出の際に「医療費控除に関する明細書」の添付が必要となり、これまでのように医療費の領収書の添付又は提示が必要でなくなります。
従来の医療費控除 OR セルフメディケーション税制
平成29年分以後の所得税の確定申告では、従来の医療費控除との選択により、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の適用を選ぶことができるようになりました。
セルフメディケーション税制とは、個人が定期健康診断など一定の健康維持のための取り組みを行う場合で、スイッチOTC医薬品と呼ばれる医薬品を購入した際には、その購入費用について確定申告での所得控除をうけることができるもの。
このセルフメディケーション税制では、医薬品の購入費用が12,000円を超えると、12,000円を超える部分の金額が所得から控除される対象となるため、従来の医療費控除のように100,000円(又は年間所得の5%)超といった高額の医療費を支払ってなくても、適用が受けられます。
セルフメディケーション税制による医療費控除の特例をうけるためには、確定申告をする方が健康保持増進や病気の予防として行った、取り組み内容とそれを明らかにする書類の添付が必要ですが、取り組み内容としては◇健康診査、◇予防接種、◇がん検診などがあり、1年に一回なんらかの健診を受けている方でしたらもれなく対象となります。
「医療費控除に関する明細書」の添付が必要に
平成29年度税制改正によりスタートする、従来の医療費控除又はセルフメディケーション税制の選択。
それぞれの適用を受ける場合、確定申告書の提出の際に「医療費控除に関する明細書」を添付することが必要になります。
平成28年分までの確定申告でも、医療費の明細書を添付することはありましたが、義務ではなく、申告する人の医療費の集計の一環として用いられていた側面があります。
それが、平成29年度改正では、医療費や医薬品の領収書の添付等に変えて、「医療費控除に関する明細書」を確定申告書の際に提出しなければならない、とされたことにより、明細書の様式案が投稿日(2017年8月3日)現在、国税庁のホームページで公表されています。
これによると「医療費控除に関する明細書」(案)は、従来の医療費控除用とセルフメディケーション税制による特例用に分けられています。
特筆すべきは、従来の医療費控除で、健康保険組合などが発行する「医療費のお知らせ」など医療費通知に記載された医療費の額を記入する欄が設けられている点です。
少し前の「医療費のお知らせ」には、「これは医療費控除には使えません」という趣旨の内容の記載があったかと思うので、これは大変革です。これまで「医療費のお知らせ」はざっと見て処分していましたが、これからは保管が必要となりますね。
なお、これまで同様、医療費の領収書を添付等することで医療費控除を受けたいという方のために、平成29年分から31年分までの確定申告では、医療費や医薬品の領収書の添付又は提示による適用も可能としています。
相談や質問の多い医療費控除ですので、改正点もわかりやすく普及することを願います。
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