プラスの財産だけでなく
マイナスの財産も相続することになる相続人には
相続放棄という手続きが認められています
相続放棄の申述は年々増えています
相続人に認められている相続放棄という手続き
相続が開始すると、相続人は次の3つのうちのいずれかを選択できます
- 相続人が亡くなった方の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ単純承認
- 相続人が亡くなった方の権利や義務を一切受け継がない相続放棄
- 亡くなった方の債務がどの程度あるか不明で、財産が残る可能性もある場合などに、相続人が相続によって得た財産の限度で亡くなった方の債務の負担を受け継ぐ限定承認
相続人が2の相続放棄や、3の限定承認をするには、家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません
プラスの財産がほとんどなく、多額の借金が残された場合などでも、財産と債務のすべてを必ず相続しなくてはならないとすると、相続人にとっては大変なことですので、相続人に認められている、相続放棄や限定承認という手続き
限定承認は、共同相続人全員で申述することもあり、手続きがやや複雑で件数も少ないのですが、相続放棄を希望する方は毎年増加しています
相続放棄の申述
相続放棄をしようとするひとは、民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にその旨を家庭裁判所に申述しなければなりません
相続放棄の申述を行う家庭裁判所は、亡くなられた方の最後の住所地の家庭裁判所です
相続が発生して、葬儀や納骨などで慌ただしい時期に、速やかに資産と債務を把握し、相続放棄するか否かを判断しなくてはならないのは厳しいものがあります
しかし、期限があるのは、いつでも相続放棄ができるとなると、権利関係がいつまでも不安定な状態になってしまうためでもあります
近年増加する相続放棄
相続放棄の申述の受理は年々増加しています
平成20年代だけでみても、平成20年の148,526件が平成28年には197,656件へと右肩上がりです(件数は相続人ベース)
債務超過を理由とする相続放棄だけでなく、核家族化がすすみ、住む予定のない実家などを相続せず、相続放棄を選ぶ方が急増しているといわれています
相続放棄をする理由はさまざまだと思いますが、時代とともにその理由がかわってきているのが興味深いです
相続放棄の手続きは難しそうで費用も心配ですが、相続放棄の申述については800円の手数料を収入印紙で納める他、連絡用の郵便切手が数百円程度、戸籍代等の実費が発生、司法書士や弁護士に手続きをご依頼される場合は、別途手続きがかかります
***編集後記***
美しく色づいた紅葉を目当てに、鶴岡八幡宮はとっても混んでいました
橋の上が特に人気です
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