今年最後の給与の支給があった方も多いと思います
年末調整が済んでから、扶養する家族に変動があったり、
配偶者の所得の見積額がかわった場合など
年末調整のやり直しができるのは、翌年1月31日までです
この記事は、投稿日(2016年12月26日)現在の法律に基づいて書いています
*2018年(平成30年)以降は配偶者控除等の適用についての改正があります
年末調整とは
年末調整は、雇用主(企業や個人事業主)が従業員の1年間の給与から納めなければならない所得税の金額を計算し、すでに毎月の給与などから天引きしている所得税の合計額から精算することで納税が完結する手続きです。
サラリーマンの多くは、年末調整で納税が完結するため、確定申告をする必要はありません。
毎月税金を天引きしているのに、あらためて年末に計算しなおす必要があるのは、天引きした所得税額の合計額は、その人が本来納付しなければならない所得税額と一致しないためです。なぜなら、毎月天引きする所得税の額は、年の途中で扶養家族が増減しても、それ以前の月に遡って修正しないからです。
また、1年間で支払った生命保険料や地震保険料などから控除が受けられる保険料控除などは毎月の天引きの際には全く考慮されていません。これらは年末調整で初めて考慮されます。
扶養親族の内容に変動があった
では、年末調整が終わった後に、例えば、
- 結婚して配偶者控除の対象となる妻(又は夫)をもつこととなった
- 離婚して配偶者控除の対象となる妻(又は夫)をもたないこととなった
- 扶養控除の対象となっていた子供が結婚して、扶養親族でなくなった
場合などは、どうなるのでしょう(どれも事前にわかっていそうな例ですが…)?
こうした実態があった場合、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(通称マル扶)」にその旨を記入して異動事項の申告をうけたときは、給与支払者は、その異動後の控除対象配偶者や控除対象扶養親族の数などを基にして年末調整のやり直しができます。
なお、平成23年分の所得税から、年齢16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)に対する扶養控除が廃止されてしまい、たとえ年末に子供が生まれても、生まれた子供が控除対象扶養親族にそもそも該当しないため、年末調整での所得税の計算には関係がありません。
しかし、前述のマル扶でも、マル扶をもとに作成される源泉徴収票や給与支払報告書でも、16歳未満の扶養親族を記入する欄があること、また、それらをもとに計算される住民税では年少扶養親族の数も非課税の判定でカウントすることなどから、年末調整後に子供が誕生した場合にも、マル扶にその旨を記入して異動事項の申告をしましょう。
配偶者の所得が見積額とちがっていた
年末調整が終わった後に、配偶者の所得の見積額が違っていた場合にも、年末調整のやり直しをすることができます。
たとえば、配偶者特別控除は、配偶者の1年間の給与収入金額等に基づいて、控除額が決まる仕組みになっています。
配偶者特別控除は「給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」という、マル扶とともに配られることの多い書類で申告します。
主に生命保険について記入することが多いこの書類の、右半分の箇所に該当事項を記入することで受けられる配偶者特別控除。
1年間の配偶者の給与収入などから計算した合計所得金額の見積額を記入して、配偶者特別控除をうけていた場合。
見積額と確定した合計所得金額に差額が生じたことにより、配偶者特別控除額がかわる場合にも、やはり年末調整のやり直しをうけることができます。
こうしたやり直しができるのは、社員など、いわゆる受給者に源泉徴収票を交付することとなる翌年1月末日までです。
そして、やり直しにも間に合わなかった場合は、確定申告をすることになります。
とくに、配偶者や子供が扶養の対象となるかどうかは、給与支払報告書という書類の提出により、行政にも報告されています。
扶養対象となっている配偶者や子供の給与収入が確定したら、自身が受けている所得税の控除が正しく申告されているか、再確認することが大切です。
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